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シーケンスソフトの基礎操作 I
(※ 注意: この授業は2001年と2002年に実施したもの)
MIDIシーケンスソフト「Performer」
Performerの主なwindowの紹介
「ノートオン」をリアルタイム入力する方法
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重要
クオンタイズする方法
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重要
MIDIイベントをコピー&ペーストする方法
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重要
Repeat機能の使い方
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重要
▼1. MIDIシーケンスソフト「Performer」
Performerは、1985年に発売が開始された 初のMacintosh用MIDIシーケンスソフトである。 現在の、「音楽制作するならMacだよねー、、」 というようなイメージが出来たのも、 80年代の先進的ミュージシャン達が、 この「Performer」を使いたいため、こぞって、 「Macintosh 128k」等を導入しはじめた事が大きい。このソフトの 特徴としては、MIDI編集時のインターフェイスの良さが あげられる。又、オーディオ面でのインターフェイスも、 業界標準のProTools Software の使用具合に非常に良く似ていて便利だ。
尚、現在は、オーディオ機能を充実させた、
「Digital Performer」
が、音楽制作の現場で多く使用されている。
●80年代の音楽制作者が導入した
初代Mac.「Macintosh 128k」
CPU: MC68000
CPU speed: 8 Mhz
FPU: None
motherboard RAM: 128 k
maximum RAM: 128 k
HD: none
CD-ROM: none
Max System Software: 6.0.8
introduced: January 1984
terminated: October 1985
▼2.「Performer」の主なWindowの紹介
今後主に使用するのは、以下の3つのウィンドウである。
又、これらのウィンドウは、Performerに限らず、全てのシーケンスソフトに備わっているものだ。
コントロールパネル・ウィンドウ
トラック・ウィンドウ
イベントリスト・ウィンドウ
●2-1
コントロールパネル・ウィンドウ
MIDIメッセージのデータの録音・再生のコントロールや、テンポの調節、小節の移動、などを操作するウィンドウである。 下の図では、今後、頻繁に使用するであろうボタンに関して紹介しておいた。
●2-2
トラック・ウィンドウ
実際の音楽制作上の要となるウィンドウである。ここでは「Track」の設定や、 MIDIメッセージのデータの入力具合を俯瞰して把握することができる。「Track」は 自由に追加・削除できる。同一MIDIチャンネル上に、複数のMIDIトラックを設けることも可能だ。 下の図では、特に重要な部分に関して紹介しておいた。
●2-3
イベントリスト・ウィンドウ
MIDI Trackごとに、入力されたMIDIメッセージを直接見ることができるウィンドウである。 MIDIメッセージをクリアーに理解する上で、 最も重要なウィンドウであると 私は思っている。
上級者用
※イベントリストウィンドウでの「ノートオン」に含まれる「ディレーション」
ここで表示されている「ノートオン」には、「ディレーション」という音の長さを指定するパラメータがある。 これはどのようなシーケンスソフトでも必ずある。しかし、本来の「ノートオン」のデータバイト部は、
「ノートナンバー」、「ベロシティー」
の2バイトである。 「ディレーション・音の長さ」といったデータバイトは含まれていないことに注意したい。 又、推測ではあるが、イベントリストウィンドウで指定されたディレーション(音の長さ)値に従って、 「ノートオフ」が自動的に送信される仕組みになっているのだろうと思われる。
▼3.
「ノートオン」をリアルタイム入力する方法
実際に鍵盤を弾くことで「ノートオン」を入力する方法
●準備段階 1
録音中のガイドになるよう、メトロノームが鳴るように設定
以下のウィンドウが出てくるので、ここでメトロノームの鳴り方を設定する。
●準備段階 2
メトロノームクリックボタンを押し、黄色く点灯させ、メトロノームが鳴るようにする。
カウントオフボタンを押し、黄色く点灯させ、録音開始前に2小節分クリックさせるようにする。
録音選択ボタンを、「SC88pro-1」の所にする。
カウンターを、録音を開始する小節ににセットする。今回は2小節目から開始してみよう。
(クリックすると入力待機状態になり、入力出来るようになる)
※もしMIDI鍵盤上の「MIDI/SELECT」が点灯していたら、ボタンを押してそれを消灯させる。
※MIDI鍵盤を弾き、音が鳴ることを確認する。
この時、
SC88proのMIDIチャンネル1
を鳴らしているわけだ。
●リアルタイム入力の開始
録音ボタンを押す。
2小節分メトロノームが空打ちされますので、その後で演奏して下さい。
「
1
.
2 .3 . 4.
2
.
2 .3 .4 .
(スタート)
」
のタイミング。
演奏が終わったら、ストップボタンを押して下さい。
演奏が気に入らなければ、
Editメニュー > Undo Record (一番上)
を選ぶと、
今のリアルタイム入力は、無かったことにすることが出来る。
●入力完了
リアルタイム入力が終わったら、下図のように、
「 MIDIイベント」
が示され、
いかにも何かが入力された事が実感できるだろう。
MIDIイベント上をダブルクリックすると、
今、入力した「ノートオン」をイベントリストウィンドウで
確認することが出来る。ぜひ確認して見よう。
▼4.
クオンタイズする方法
クオンタイズ
リアルタイム入力で、ジャストのタイミングで「ノートオン」を入力することは難しい。
そこで、タイミングのずれている「ノートオン」に対して、クオンタイズという機能を使用することにより、 自動的に、ジャストタイミングへ移動させることが出来る。 今日の演習でも使用するので、よく使い方を覚えておいて下さい。
重要
MIDIイベントの近くに、マウスカーソルを近付けると、
カーソルの形が "+"の形になる。
"+"になった状態で、MIDIイベント全体を「グリッ」と囲んでやる。
そうすると、
薄あおい色が付いて、MIDIイベントが指定される。
MIDIイベントの指定は、今後多用するので、確実に出来るようになってほしい。
MIDIイベントを指定したら、「Performer」のメニューの
Regionメニュー > Quantize(上から2番目にある)
を選ぶと、左のwindowが出てくる。
左の図の中の、
Grid
は
どのくらいの精度でタイミングをあわせるか
の指定である。 図では「16分音符」を指定しているが、各自、自分の作成したフレーズで使用した、
細小の音価(音符の長さ)を指定
してやるとよい。よく解らなければ、「16分音符」を選ぶと良いだろう。
また、フレーズ中に「3連符」を含んでいる場合は、単純にクオンタイズをかけると、 「3連符」ではなくなってしまう。もし、「3連符」を使用した人がいれば、直接石井にやり方を聞いて欲しい。
クオンタイズの結果に、どうしても納得のいかない場合は、EditメニューからUndoすると元どうりになります。
▼5.
MIDIイベントをコピー&ペーストする方法
Editメニューの中に、
copyやpaste
など一連の処理をする、コマンドがあります。
中級の皆さんのことですから、Copy & Pasteは、すぐ出来ることでしょう。
画像系のソフトの要領でやってみて下さい。
▼6.
Repeat機能の使い方
Editメニューの中に、
Repeat..
というコマンドがあります。
これは、指定したMIDIイベントに対し、Repeat回数を指定することで、
その直後の小節から、自動的に張り付けて行くものです。Copy & Pasteより楽に
ループを作成できます。
対象となるMIDIイベントを指定した後、
Editメニュー > Repeat
を選んで下さい。
ダイアログのOKを押すと、
フレーズのループが出来ていることでしょう。
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