■様々なコンピュータミュージック

(※ 注意: この授業は2001年に実施したもの)




コンピュータや音源の使い具合から見て、
色々なタイプのコンピュータミュージックがある。
この演習は、基本的に「DTM系」の位置で行われる。
しかし、そのなかで「音楽制作系」や「シリアスミュージック系」の
要素も取り入れてゆきたいと思っている。

系統特徴そこではコンピュータをどう用いるか 代表的
ソフトウエア
使用するMIDI音源
DTM系
  • 基本的に、自宅の机の上で制作する。
  • 気軽で趣味的な性格を持つ。
  • 音源は1台のみの場合がほとんど。
  • MIDIデータの互換性が重視される。
  • パソコンから音源の内部パラメータを自在に制御してやるのが醍醐味である。
  • MIDI音源からの出力(音)、それ自体が作品となる。
  • MIDIデータの作り具合に興味が向けられている面がある。
  • システムが単純な為、初歩の教育に用いられる。
  • MIDIシーケンスデータを作成/再生するのに用いる。
  • 音源内部の各パラメータを、制御するのに用いる。
音楽制作系
  • 基本的に、レコーディングスタジオで制作を行う。
  • 音楽業界のプロが行う、気合いの入った音楽づくりである。
  • 楽曲に使用する音色づくりにとても神経を使う。
  • 大量の音響機器を必要とし、システムが複雑である。
  • MIDIは音を生み出す手段にすぎず、あくまで出来上がる 音が問題となる。
  • 生演奏を使用したいが、制作費を押さえる為に、MIDIシステムを使用する という面もある。
  • Macintoshが主流である。
  • MTR(マルチトラックレコーダー)として使用する。
  • MIDIシーケンスデータを作成/再生するのに用いる。
  • Audioデータを編集するのに用いる。
  • たくさんの音響機器の動作を一括制御するのに用いる。
シリアスミュージック系
  • いわゆる、現代ファインアートの方向性と言われる。
  • 現代思想と結び付き、非常にコンセプチュアルな性格が強い。
  • プログラム自体が作品となる傾向にある。
  • ソフトウェアにおいては市販のツールを使用することを嫌い、 自分で開発する場合がおおい。
  • コンセプト優先で音は二の次という印象も・・・??。
  • それを問うている。
  • プログラムの段階で、コンピュータに独自の成長アルゴリズムを与え、 作品制作の中に人間の主体性が入り込まず、コンピュータ 自体が自動に作品を作っていってしまうような感じも多い。
  • Max/MSP
    (オブジェクト指向、
    音楽プログラミング環境) 現状はこれのほぼ独占状態にある。
  • 意外と実際には、
    商業的な音楽制作で
    使用されているMIDI音源が
    用いられている。